人が聴きやすい速度とは
人が聞いていて聴きやすいと感じる話し方の速度は、大体1分間に300字程度といわれています。
とはいえ、今自分が秒速何秒で何文字話しているのかを体感で把握することは、熟練したアナウンサーでも難しい技術です。
特に人前に出ると緊張してしまうタイプの人は、どうしても練習よりも話す速度は速くなってしまうでしょう。
もちろん、練習の段階で文字数と時間を意識して読み込んでおくことは、誤読を防ぐためにも大切なことですが、プレゼンに慣れていないうちは「ゆっくりと」「丁寧に」を意識する方が大切だと言えます。
緊張状態の中で自分ではゆっくりと話しているつもりになっていても、聴衆にとって聴きやすい速度とは限らないのです。
また、聴衆が大人数であったり、会場が騒々しい場所にある場合は、よりゆっくりとした話し方をした方が聴きやすくなります。
ゆっくりと丁寧に…だけではない、速度のテクニック
たとえ1分間に300字程度を綺麗に読むことができたとしても、それが淡々とした言葉の羅列となってしまっては、聴きやすいプレゼンとは言えないでしょう。
最初から最後まで一定の速度を保つと、一番伝えたい部分もそれほど重要ではない部分も、全て同じように右から左へと聞き流されてしまいます。
それだけでなく、緩急のない話し方では聴衆を飽きさせてしまいます。
大事なところを丁寧に読むことは誰でも意識しやすいポイントですが、それを意識し過ぎるあまりプレゼン全てがゆっくりになってしまい、結果的に淡々としたお経のようなプレゼンになる人も少なくありません。
大事なところをゆっくりと読む分、その他のさほど重要ではない部分は意識して速度を速めてみてください。
例えば、誰もが知っているような簡単なことや、既に書面になっていて今話している内容は見ればわかる状況にある場合、話し方が丁寧過ぎると聴いている方も疲れてしまい、逆効果にしかなりません。
ある程度速い速度で読み飛ばされている部分があるからこそ、大事な部分がより際立たち、聴衆の注目をぐっと引き寄せることが可能となるのです。
基本は1分間に300文字程度ですが、人は機械ではありません。
人が聴きやすい話し方の速度は、自分が話しやすい速度とは違うと思ってください。
一度、練習と本番のプレゼンを録画し、客観的に話し方の速度を比べてみるのも自身の成長に繋がります。
その時・場所・場合に合わせ、大切なところをゆっくりと丁寧に、その他の部分を速く、を意識した速度を心掛けましょう。
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