言葉を選ぶということ
とても上手だと感じるプレゼンの中には、何故か話し手の喋りが上手だったという記憶だけしか残らないパターンが存在します。
これは、内容には全く引っかからずにプレゼンターの話し方が評価の対象となってしまうことに起因します。
確かに、プレゼンは話し方が上手であることが求められてはいますが、流暢に話せば良いというものではありません。
内容を軽んじているつもりは無くても、言葉の端々を無難にまとめ過ぎる文章は右から左へ流れて行ってしまうプレゼンとなりがちです。
強調する言葉を節々で作ったり、重要な言葉の前に一拍間を置いたりすることで、引っかかりのあるプレゼンを作ることができます。
また、言葉には意味が強く伝わりやすいものと、流れていきやすい言葉があることも知っておくと良いでしょう。
感情の動きがうかがい知れる「愛情」「努力」「悔恨」「希望」などという言葉は、一語で重い役割を果たします。
反対に、「今日」「データ」「研修」「りんご」など、単純に物の名前を指すための言葉は流れていきやすいので、何かしら注目を引かせたい場合は強い言葉を使うと良いでしょう。
プレゼンにおいては流暢に喋ることが大事なのではありません。
いかに内容に興味を持たせることができるかが大事なのです。
同じ言葉でも印象は変わる
一般的に相手の心に届きやすいのは漢字ばかりが並んだ難しい文章よりも、話し言葉です。
プレゼンの内容にもよりますが、親しみやすい言葉遣いは聴きやすい上に理解もしやすいものです。
例えば、挨拶一つにしても、「暑中におきましてご出席賜り幸甚です」と話すよりも、「お暑い中ですがお越し頂きまして、とても嬉しく思います」と述べた方が伝わりやすいのは明白です。
話す方にしても話しやすく、気持ちも乗りやすいでしょう。
特に自身の感情表現におけるコメントで、書き言葉のまま読み上げるのは聴衆との距離を置いてしまいます。
ところが、プレゼンターはどうしても難しい言葉を選びがちです。
難しい言葉を使うと、知的で優秀な印象を与えられると思い込んでいる人が多いのです。
全編にわたって平仮名ばかりの親しみやすさを押すと、前述したように引っかかりのないプレゼンになってしまいますから、ある程度スパイスとして入れる分には効果的かもしれません。
しかし、人の心を動かすためには、どんな言葉で伝えるかをよく吟味する必要があります。
書いてある文章が果たして伝わりやすいかどうかは、録音して何も見ずに聴いてみると良いでしょう。
音だけでは分かりにくい言葉や伝わりにくい話し方が見えてきます。
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